正月休みに読んだ本

興味の対象

 冬休みに入る前、正月休み用に浜松市立図書館で本を借りておきました。全部で以前読了したものを含め8冊ほど借りておきましたが、読了できそうなものは以下の3冊です。私は貧困問題に興味があります。私はそれほど裕福な家庭で育ったわけではなく、また現在も1家5人で何とか生活している状況です。実は正直言うと、当初は若干興味本位な部分もあり貧困関連の本を読んでおりましたが、派遣村の湯浅さん(内閣府参与)の書かれた本を数冊読んで考えが変わりました。いまは、どうすれば貧困がなくなるのかということを考えるようになりました。
 私は図書館に行くと、まず返却直後の本のコーナーへ行くことにしています。返却直後の本ということは、私以外の誰かが興味を持って読んでいる、または読もうとした本だということです。この考え方はソーシャルブックマークそのものだと思っています。

スラムの惑星


 「スラム」という言葉の定義づけを考えさせられました。なんとなく猥雑で、不潔で、というイメージしかなかったスラムが、明確な言葉の定義と共に、その発生理由などについても言及されており、日本に生まれてよかったと思う一方、将来の日本の姿を見ているようにも思えます。
 仕事を求めて大都市周辺へ流入する貧困層が、不法占拠地帯に集団で居住し、非合法な経済活動を通じて生活する。ただしその生活は薄氷を踏むような不安定なもので、天災や病気によって断ち切られ、公的な援助も無く死に至ったり、臓器や身内の売買などまさに身を削るようにしても生きていくしかなくなる。そんな地獄のような社会を、どうすればなくすことができるのでしょうか。

硫黄島


 この本は硫黄島への訪問ルポだと思って借りましたが、内容はフィクションでした。ただし荒唐無稽な小説ではなく、導入部分の過去描写と、本文の現状描写が上手く絡み合い、思い違いによる失望を覆すような面白さでした。硫黄島の無謀な戦闘はなぜ行われたのか、どういう意味があったのか、映画の「IWOJIMA」を見たときにも感じたやりきれなさが蘇りました。小さな硫黄島で、水も食料も無く、暑さと病気におびえて洞窟で敵を待つ、そんな戦闘で数万人の日本人が亡くなりました。
 遺骨収集も済んでいない島で、自衛隊だけが活動している。民間人が住むことのない硫黄島自体が大きな墓標のようなものなのに、なぜ自衛隊が活動するのか、国土防衛のためなのか。色々な思いが噴出します。

つまみぐい勉強法

 私はITに関連する職種についており、この本はIT技術者が書いた勉強法が書かれています。ITは以前、30歳でSE定年だという説があったくらい技術革新が速くついていくのがやっとな世界だといわれていました。今も決してその状況は変わっていないと思いますが、定年説はとんと聞かなくなりました。我々の世代(40前後)の技術者が、ITの世界の中心になってきているからなのだろうと思います。
 この本は実は以前半分ほど読んだところで図書館から返却督促によりタイムアップしたものでした。ただしこの本に書かれていたソーシャルブックマークの考え方は、前述した他人が借りた本や、このブログを書いている「はてな」のサービスを使うきっかけになりました。また、このブログでもいつか書きたいと思っている情報の整理や入手方法についても、この本によるところが大きかったと思っています。