iPod ドックコネクタを作ってみた(その3)

こんなんできました。

 正月休みに工作で計3ヶのLINEOUT対応iPodドックコネクタを作りました。1ヶは言い出しっぺの息子へ、1ヶは自分が、もう1ヶはiPodユーザーの同僚が使うことになりました。で、使っているとやはり不便なのがバッテリー切れなんです。気分よく音楽を聴きながら読書や仕事をしていているときに、バッテリーが切れると文字通りリズムが狂ってしまいます。そこで前回工作後に展望として書いた「充電機能」を持ったLINEOUTドックコネクタを作ってみることにしました。

 上の画像が完成品です。少し格好悪いのは承知の上です。LINEOUTはこれまでどおりステレオミニジャック→RCAジャックで、ドックコネクタ横からUSBケーブルを引き出しています。このUSBコネクタでは、充電とiTunes同期が可能です。

材料


100均で購入したiPod充電ケーブル
 このUSBケーブル部分を使います。実は2本買い、1本は会社でiPodを充電するのに使います。(いずれ書こうと思っていましたが、iPodをスケジュール管理用途で会社で使っています)

以下はいつものようにマルツ電波で揃えました。
iPodドックコネクタ x1
68kΩ抵抗 x1
ステレオミニジャック(メス) x1

手順


まず、100均ケーブルのiPodドックコネクタ部分を分解します。精密ドライバーを差し入れると簡単に分解可能です。USB側から来ているケーブルには、4本が結線されています。

16pin --- GND
23pin --- 5V
25pin --- USB Data(-)
27pin --- USB Data(+)


 ググってみると、27pinと25pinに電圧をかけておかないと充電できない旨の記述が多くあります。そのためには抵抗を複数使い、5vから2.8vと2.0vを作ってUSB Dataピンに電圧を印加してあげなければなりません。今回は充電化工作第一段でもあり、またUSBを使った充電に絞ることで、この部分の工作を省きます。それでも、PCのUSBポートやiPod対応のACアダプタを使えば充電できるはずと考えました。(100均ケーブルの4本結線で、前述2通りの方法で充電できたことから立証済。おそらくiPod対応ACアダプタは、27pinと25pinに適切な電圧が印加されているのでしょう)


100均一充電ケーブルから、カールされたUSBケーブルを取り外します。iPodドックコネクタ部分はもう使いませんので処分します。


 次にマルツで購入したiPodドックコネクタに、前回の工作同様に68kΩ抵抗をはじめとするLINEOUT出力用の工作を行います。ヤスリを使った加工や熱収縮チューブによる結線を行います。詳細はこちらを参照のこと。



 USBケーブルのヌケドメ樹脂部品を、コネクタの左側の穴(本来はツメを押すボタンが埋まっている)に入るように加工します。これも現物合わせになるため、文章では上手く説明できません。この部品は柔らかい樹脂なので、ヤスリではなくカッターなどを使い、慎重に加工します。その後、上記の4pinに同様に結線します。USBピンに抵抗などは一切使いません。また、ツメ押しボタンが無いため、ツメそのものも折り取ってしまいます。





 USBケーブルとコネクタの接合部分はこのようになっています。USBケーブルそのものの自重や、抜き差しの際にテンションがかかって破損するのを防ぐため、コネクタ穴の端に引っ掛かりができるようにヌケドメ樹脂を加工します。ちょっと不恰好ですが、強度は十分保たれています。



成果

 コンポで音楽を聴きながら、ACアダプタとPCのUSBの両方から充電されることを確認しました。ACアダプタはAppleの純正品です。前述したように、純正品はUSB Dataピンに電圧が印加されているのでしょう。また、PCのUSBに接続すると、iTunesが起動します。iTunesとの同期が始まると一度音楽は停止しますが、同期が完了してしまえば聞きながら充電が可能です。iTunesがインストールされていないPCの場合、ACアダプタと同様に聞きながら充電が可能です。

展望

 次は車のコンポにつなぐ方法を検討します。